ご無沙汰です。
なんだか暖かくって気持ちの悪い11月なニューヨークです。
最近、隣に住んでいるおじさんの声が聞こえないなあ、姿が見えないなあ、なんて思っていたら、なんと11月3日に亡くなっていた。
*
あたしの住んでいるアパートは全部で6世帯。
その多くの人たちはもう30年以上は住んでいる人たち。
上の階の老夫婦なんて45年くらい住んでいるんじゃないだろうか。
ということで、6年しか住んでいないあたしは圧倒的新参者。
獅子丸にいたっては、もう孫みたいなもの。
詳しいことは知らないけれど、隣に住んでいたおじさんは、仕事をリタイアして年金生活をしていたようだ。
おじさんが亡くなったことを知ったのは、アパートの入り口に「お葬式のお知らせ」が貼ってあったから。
でもお葬式の場所はブルックリンで、ハーレムなのになんで? なんて思っていた。
いや、正確にはおじさんの名前を知らず、またハーレムコミュニティー内で、つまり隣のアパートの住人が死んだ場合でも連絡があるので、そういうことなのかなあなんて思っていた。
でも実際は違ったのだ。
隣に住んでいたおじさんのことだったのだ。
お葬式が執り行われた12日、アパートの前に簡易祭壇が出来ていた。
その時、初めておじさんが亡くなったことを知った。
自分が釣った魚を持っているおじさんの写真。
そういえば今年の夏、「坊主(獅子丸のこと)がもうちょっと大きくなったら釣りに連れて行っていいかい?」と訊いてきたっけ。
玄関先から、魚を揚げている音がよく聞こえたっけ。
あれは自分で釣った魚をフライにしていたのかな。
獅子丸を見ては「Yo, what's up man?」と声をかけてきてくれて、ハロウィーンにはキャンディーをくれたこともあったなあ。
「お母さん、ここ、お手紙がいっぱいだね」
と、おじさんの郵便受けを叩きながら獅子丸が言う。
「うん、死んじゃったから誰もお手紙を取れないんだよ」
子どもに
人が亡くなる
ということを教えるのは難しいけれど、なんとなく、それがどういうことなのか、肌で感じとっているようだ。
おじさん、あちらの世界でも釣りして楽しんでいるといいなあ。
ランキングに参加しています。
ワンクリック、お願いしまする。
コメント