「大変だ、すごいことになっている!」

朝、お風呂を入ろうとしたぼくちゃん(旦那)が叫んだ。
何ごとかと思えば……あら、天井からお水がぽつぽつ、雨漏りしているかのように落ちてきている、それもちょうど電球カバーの間から。

このままつけていたらショートしてしまうかもしれないから、とりあえず消して。

「おかしいと思ったんだよな。昨日、シャワーを浴びようと思ったら、壁にぷっくり水ぶくれみたいなのができているし、ここの(と、鏡の下にある石鹸置き場を指して)ところに水はたまっているし、何なんだろうと思っていたんだよ」

確かにあたしも石鹸置き場にどうしてこんな汚い水が、とは思ったけれど、まさか、水漏れしているとは思わなかった。

天井から水漏れ、と言えば、下の階に住んでいるSが常連さん。
去年1年で何度キッチンの天井が落ちたことか。
水漏れする度に「Oh, comoooon, どんな使いかたしているのよ」と半分諦められたような言い方をされ。でも、うちじゃないとわかって落胆。

でもってケチな大家からも電話でいやみったらしく「ベイビーが水を浴槽の外に出して遊んでいるんじゃないのか?」と言われ。

ふん、あたしに言わせりゃ、ろくに免許も持っていない、もしくは持っている人プラス持っていない適当な奴らのコンビネーションプラマー(配管工事をする人)を呼んで安く仕上げようとした結果じゃないの? 自業自得でしょ。

だってプラマー、ウチにやってきては「おかしいなあ、キミのところには異常はないね」と言って、でも何かをしないといけないからバスタブと壁の間にシリコンをべったり塗って帰った。
シリコンが山盛りになっているところが多いので、乾くまで入っちゃだめだよと言われていたけれど、そんなん我慢できまへん。

また他の日にはキッチンシンクの下の扉を開けて「この壁の向こうから水が流れる音がする」と言って、早朝から工事。
確かにすごい勢いで水が流れて行っていた。ダムの決壊が切れたような流れ方だった。

パイプを直して、でも壁は今すぐは直せないからと言って、黒い込み袋で簡単に修復して……2ヶ月くらいほおって置かれた。


そんなプラマーたちだから、いくら天井を表面的に直しても、根本的解決にはなっていないんじゃないかと思っていたら……クリスマス前日、つまりイブに、またSのところで天井から水漏れして……。

ああ……。



「話はわかった。なんで水漏れしているのか」

上の階に住んでいるGおばあちゃんの旦那さん、Aじーさん(獅子丸はグランパAと呼んでいる)の話によると、どうやら原因は屋上のどこかに亀裂が入っているのではないかということ。

あたしの住んでいるアパートは4階建てで、1階と4階に住んでいる人たち(AとGは4階に住んでいる)は何も被害には遭っていない。

ところが、2階に住んでいるSと3階に住んでいる我が家とお隣のAは被害に遭っている。
それもパイプの調子がおかしいから、我が家は洗面台にずっとお水がたまっていて、水が引かない状態。
どうやらお隣のAも下のSも同じ状態らしいのだ。

いろいろいろいろあって、大家さんは同じだけど、もういい年で、今年の夏は病気で入院していたこともあってか、マネージメント会社にアパートのことを頼むことになって2ヶ月。
新しいスーパーは「いつでもどんなにくだらないことでもいいから電話して」と、仕事もさくさくしてくれて「ああ、やっと春が来た♪」と思っていたのになあ。

「マネージメントが変わったって、雇う人間が同じで意味ないのよ。だからあたしが自分で天井をなおしたのに……」とはSのお言葉。

がーん、まじっすか?

さっそく他の用事もあってマネージメント会社に電話したら留守電だし、メッセージ残す時間少なくって自分の電話番号を言えなかった。なのでスーパーに連絡をしてみた。

「うん、キミは2号室に住んでいるミス○○だね。うん、わかっている、わかっているよ。ちょっと上司に訊いてみるから……」と言ったきり連絡なし。

確かに今はホリデーシーズンまっさかりだし、仕事停滞し気味なのはわかるけれどー。

アメリカって、本当、こういうことにイライラさせられるわ〜。

そういえば出産前、バスルームにきのこが生えたことがあったっけ。
かれこれ3年以上前の話だから、そのくらいから屋上、おかしかったのかもしれないね。